なんとなく
偉い人のいい話を聞いても自分と違うし参考にならないな
と思っていたと思います。
偉い人の話を聞いて、「スゴイ」と思わせようとしている誰かの策略?に乗りたくなかったのかもしれません。
しかし、この考え方、まずったかもしれません。
確かに伝記に出てくる人は、今から何百年も前に生きていた人で、今と当時とは全然世界が違うのですが、
「今の時代に似たような状況がないか?」
と考えると、まあ、大体あるのです。
福沢諭吉でいえば、科学技術で遅れを取っていた日本がどうすればいいか、と考えると、当時の世界を見て、英語を勉強して、欧米の情報を吸収して、日本に取り込む、をしました。
これだと、今の日本でも、同じかもしれません。あと中国が加わったくらいかな。
銀行、選挙制度、ほかにももっとあったと思います。
それを日本のみんなに書籍にして知らせ、日本全体の国力を上げようとしました。
流石に今の世の中では、他国で優れている制度は大体取り込めていると思いますが(これも絶対とは言い切れない、、、)英語を利用して、海外の最新情報を入手することができるのは変わりありません。
ほかにも、色々あるので書ききれないのですが、要は、
伝記も読み方によっては良いものだ
と言いたかったのです。
変わって今は2022年
2017年出版のFacebookを作ったマーク・ザッカーバーグの「伝記」を読みました。(ちょっと古い!)
この本を見る前までは、マーク・ザッカーバーグのことは、映画でしか知りませんでした。
まだ、読んでいる途中なのですが、もう最初の1/4くらいで、十分なくらい、成功するためのエッセンスが詰め込まれていました。
アウトプット数が多い
年間12ものサービスを公開していた、と聞いてショックでした。
そんなに多くのサービスを世に出していたのか!自分には無理!
Facebookがユーザ数を伸ばしたり、資金援助の話が出てきたときも、マーク・ザッカーバーグはFacebookが成功するか半信半疑で、他のサービスも並行して面倒をみていたことが印象的でした。
結果として、Facebookが生き残り、巨大な企業へ成長したのですが、状況によっては、他のサービスが成長したかもしれません。
年間12ものサービス公開も、マーク・ザッカーバーグにとっては「実験」。
何が世の中に受けるのか、見極めるための布石だったのでしょう。
ほかにも、マネタイズよりもユーザーの体験を優先し、マーケティングよりもパフォーマンス改善によるUX向上を優先させるなど、重要な決定も在りましたが、まずは
数撃ちゃ当たる
を、実践してきたからこその成功なのでは、と思いました。
日本では「数撃ちゃ当たる」はあまり良い意味には取られない表現ですが、
ITビジネスの世界では、今では「常識」です。
Googleは、著名なデザイナーにロゴを書かせ、一方で、別なデザイナーにロゴを書かせ、どちらのロゴがクリックさせることができているか、を見ます。
ロゴのクリック数が少なく、アクセス数も少なければ、如何に著名なデザイナーといえども、開発者としてはnoを突きつけます。
そんな「実験」を、一日何度もしているのも、珍しくありません。
また、事業自体の考え方も重要です。
一方、ザッカーバーグは別の事業を始めて、リスクの分散を図ろうとしていた。彼には、ザ・フェイスブックが必ず成功するという確信が無かった。彼の望みは高かったが、このウェブサイトが大事業になるかどうかについては、依然として自身がなかった。かなり面白い展開になってきているとはいえ、ザ・フェイスブックは彼にとってはあくまで一つのプロジェクトに過ぎなかった。そこで、生まれながらの起業家として、彼は別の新しいプロジェクトを始めた。P54
この考え時点で、フェイスブックは、投資家から1000万ドルの買収提案があり、広告を出して、クレジットカードの異常なほどのアクセス数、契約数を獲得していたので、人によってはここで「成功」とみなすかもしれません。
でもザッカーバーグは、買収案に耳を貸さず、広告も最小限にとどめ、
自分が望む、あるべき姿に向かうため、フェイスブックを使う大学数を増やしていきます。
逆に、お金やちょっとした成功に興味がないことが、「成功」につながるのかもしれません。
これは真似したくてもできるものではないのですが、いうなれば「使命感」を持っていればいいのかもしれません。
われわれは世界をかえるんだ
ザ・フェイスブックは世界をもっとオープンな場所にできる
後年、ザッカーバーグが何度も何度も繰り返す言葉でした。
いきなり使命感なんで自分の中から出てこないので、
最初、数々の「実験」から、世の中のニーズを探し、
見つかったニーズに対して、
「自分は何ができるのか」
「どうしたいのか」
を常に考えていたからこそ、今のフェイスブックがあったのではないかと思われました。
自分も「実験」してみたくなる一冊でした。