2022年11月26日土曜日

統計の使い方が10分でわかる本

 



統計を自由に使えたら、どんなに便利だろうか。


福沢諭吉が、文明論之概略の中で統計の重要性を説いてもらってから100年以上たっても

いまだに使いこなせない自分、、、。


以前の記事でも書いたのですが、婚姻数と穀物の価格に相関関係があり、

最近若い人が結婚していない→結婚に対する価値観が変わった ではなく

単に穀物の価格が高くなり、家計が圧迫され、金銭に余裕がないので結婚できる人が減ってしまった、だけ

というのを数字で示すことができる、超強力な道具、統計。


でも、実際に使おうとすると、なかなかこれが難しい。


さらに仕事で生かそうとすると、もう絶望的!


でも、なにもしないとずっと何もできない。


そう思っていたところ、この本を見つけました。

第一印象は


薄い!


でも統計をざっくり知るにはとても良い本でした。


ぱらぱらめくると大体10分ぐらいで見終わります。

当然、ちゃんとわかっていないところもあるのですが

要所要所で、自分が必要になりそうなところが出てくると思うので

そこを2度目から重点的に見ればよいと思います。


私が個人的に印象に残ったのが P36 統計こぼれ話①で

アメリカのドーナッツチェーン店が日本に参入する際、アメリカで使っていた大豆油を

日本でもそのまま使おうとして、「日本人に合わない」という日本側の主張を納得してもらうため、日本人に合う試作品を作り、アメリカ側の従来のドーナッツと比較するため、400人の試食データをとり、最終的に日本側の試作品が採用された、という話です。


統計は人を説得するための強力な武器になる、ということはこの話でも分かるのですが、

よく考えてみると、統計って XX分析 とか 相関関係 とか XX分布 とか

数式やグラフを使ったものを想像しますよね。


でも、実際は、もっと単純で、でも地道に試作品と400人の試食サンプルを集める、という作業が必要な分野なのだと思います。


人によっては、「大豆油でもいけるんじゃない?」と思うかもしれないし、

実際にそのまま大豆油でも行けてたかもしれないのです。


しかし、自分が「正しい」と思ったとき、それを相手に認めさせる、説得するために

統計は「武器」になるのです。


単に勉強しただけではだめで、相手に自分の主張を認めさせる必要がある、と感じたとき

論理的に、エビデンスをもとに、相手を説得できる武器が「統計」なのです。


この本では、髄所に、データを集めるシーンがあり、


(そこ、もうちょっと強調して言わないと、重要だということが伝わらないんじゃないか)


とやきもきしてしまうところもあるのですが、それでもやはり見やすい書籍でした。 


もし、統計の本が1冊も無い場合は、最初の1冊として見てみるとよいのではないかと思われました。