統計を自由に使えたら、どんなに便利だろうか。
福沢諭吉が、文明論之概略の中で統計の重要性を説いてもらってから100年以上たっても
いまだに使いこなせない自分、、、。
以前の記事でも書いたのですが、婚姻数と穀物の価格に相関関係があり、
最近若い人が結婚していない→結婚に対する価値観が変わった ではなく
単に穀物の価格が高くなり、家計が圧迫され、金銭に余裕がないので結婚できる人が減ってしまった、だけ
というのを数字で示すことができる、超強力な道具、統計。
でも、実際に使おうとすると、なかなかこれが難しい。
さらに仕事で生かそうとすると、もう絶望的!
でも、なにもしないとずっと何もできない。
そう思っていたところ、この本を見つけました。
第一印象は
薄い!
でも統計をざっくり知るにはとても良い本でした。
ぱらぱらめくると大体10分ぐらいで見終わります。
当然、ちゃんとわかっていないところもあるのですが
要所要所で、自分が必要になりそうなところが出てくると思うので
そこを2度目から重点的に見ればよいと思います。
私が個人的に印象に残ったのが P36 統計こぼれ話①で
アメリカのドーナッツチェーン店が日本に参入する際、アメリカで使っていた大豆油を
日本でもそのまま使おうとして、「日本人に合わない」という日本側の主張を納得してもらうため、日本人に合う試作品を作り、アメリカ側の従来のドーナッツと比較するため、400人の試食データをとり、最終的に日本側の試作品が採用された、という話です。
統計は人を説得するための強力な武器になる、ということはこの話でも分かるのですが、
よく考えてみると、統計って XX分析 とか 相関関係 とか XX分布 とか
数式やグラフを使ったものを想像しますよね。
でも、実際は、もっと単純で、でも地道に試作品と400人の試食サンプルを集める、という作業が必要な分野なのだと思います。
人によっては、「大豆油でもいけるんじゃない?」と思うかもしれないし、
実際にそのまま大豆油でも行けてたかもしれないのです。
しかし、自分が「正しい」と思ったとき、それを相手に認めさせる、説得するために
統計は「武器」になるのです。
単に勉強しただけではだめで、相手に自分の主張を認めさせる必要がある、と感じたとき
論理的に、エビデンスをもとに、相手を説得できる武器が「統計」なのです。
この本では、髄所に、データを集めるシーンがあり、
(そこ、もうちょっと強調して言わないと、重要だということが伝わらないんじゃないか)
とやきもきしてしまうところもあるのですが、それでもやはり見やすい書籍でした。
もし、統計の本が1冊も無い場合は、最初の1冊として見てみるとよいのではないかと思われました。