「エアコンの温度を下げるとなぜ温暖化対策になるのでしょうか。」
小学生向けの環境問題の問いを見つけました。
これは、、、考えさせられる問でした。
恐らく模範解答としては、
『エアコンの温度を低くすることによって、使用電力が低くなります。電力を作るためには発電所が必要ですが、現在は化石燃料等を使用する火力発電が主になっており、火力発電で発生する二酸化炭素が温室効果ガスとして働くため、使用電力を低くすることで、その二酸化炭素を減らせるので、温暖化対策になります』
書いていて思ったのですが、エアコンの温度を低くすることによって、確かに家の使用電力は減らせるのですが、発電所は、リアルタイムで発電して電力をみんなに供給しないといけないので、「今」エアコンの温度を減らしたところで、すぐに温暖化対策にはならないんですよね。
もし本当に火力発電所の電力発電量を減らしたいのなら、「常に」日本中のみんなが使用電力を減らさないといけません。
減らすことで
発電所の人「おお、みんな使う量が減ってきているな。では発電量を減らそう」
と考えてもらえれば、成功です。
なぜか。
発電所は、日本のみんなに電力を共有しますが、もし使用する量を用意できなかったら、どこかが停電してしまいます。
停電すると、その地域の人の生活が困ります。
もしかしたら信号や病院などが止まってしまうと、命にかかわる危険がでます。
そうならないように、発電所は、常にみんなの使用すると思われる電力量「以上」に、つねに発電してくれています。
もし発電をやめると、その瞬間からみんなの家庭への電力供給が止まってしまいます。
発電所はいつも発電してくれているから、私たちは24時間、電気が使えるんですね。
できれば、すごい充電電池が開発されて、発電所が余分に作った電力が「貯金」できれば、
電力はもっと効率的に使用できると思おうのですが、
まだ何万世帯を賄うような充電電池は開発されていないと思われます。
ただ、あまり電気を使わないと、せっかく便利になった世の中なのに、昔に逆戻り。
不便だったり、寒いことで健康を害したりして病気になったら逆効果です。
温暖化対策を考えるなら、電気や生活に関する全体像を認識してから考えたほうが良いと思うけど、小学校だとここまでしないだろうな、、、、