前回の続きです。
地球温暖化防止のためには、私たちが使う発電量を減らすことが重要です。
しかし、単に発電量を減らすだけでは、その効果は一部にとどまってしまいます。
それを今回は考えたいと思います。
発電所は、常に私たちが使う電気「以上の」発電をし続けなければなりません。
発電が足りなければ、どこかわからないところで停電が発生したり、様々な地域で電気がちゃんと届かなくなる時があるからです。
ですから、正確に言うと、発電所は、私たちが使う電力よりも、多く発電しており、「余分に多かった」部分は、どこにも使われず、ただ、消えていってしまうのです。
せっかく作った電力なのに、無駄にしてしまっているのか。もったいない。
そう思った人も多いと思います。
そこで、余分だった電力をどうすればよいでしょうか。
電気をためる、ということで思いつくのは充電池でしょう。
おもちゃや家電で充電池を使っている方は多いと思います。
ただ、あの充電池は小さな機械を動かすぐらいしかためることができず、日本の何万もの家で使われる、膨大な電気をためる電池はなかなか開発できませんでした。
しかし、それでも何とか日本を含め、世界各国が研究して、「充電システム」を作れるようになってきました。
日本では九州電力が2016年に3万世帯をカバーできる充電システムを進めています。
この中の図がとても分かりやすいのですが、特に春先は、太陽光発電が昼間とても発電できるので、その間は、私たちが使う電力以上に電力を発電することができます。
ここで重要なのが、太陽光発電以外の、特に火力や原子力などの発電所は、発電量を急に減らしたりはできないのです。
よって、いつも通り発電して、調子のよい時太陽光発電が「発電しすぎて」余った電力がもったいなかったのです。
それを大規模充電システムを作り、余った電力をためて、太陽光が発電できない夜にまわす、ということができるようになります。
でもこれって結構こわいですよね。
夜間は、充電システムがなければ、火力発電も原子力発電も、私たちの使う電力「以下」しか発電しないので、充電システムが壊れたら、どこかの何万もの家が、夜、停電になってしまうのです。
そうならないように、実験を繰り返し、安全に運用できるようにしてくれているんですね。
単に私たちが使用する電力を少なくすればよいだけでなく、ほかにも様々な工夫があって、
初めて発電量を減らすことで、温暖化対策ができるんですね。