前回、プログラミング学習法について考えたのですが
ここは大家に教えを頂いたほうがよい、ということで、
ギリア株式会社代表取締役社長兼CEOの清水亮氏の書籍をご紹介したいと思います。
学生時代から、雑誌にプログラミングの連載を持っていて、Microsoftやドワンゴなどを渡り歩き、いまは経営者としても活躍されている清水氏。
いままで膨大なコーディングをされていく中で、自分の経験や、他のプログラミングができない人からアドバイスを求められ、それらに回答してきた経験をもとに、非プログラマーの方々に、プログラミングのことをわかりやすくまとめてくれた本です。
この中で、プログラミングの上達法として勧められている方法が
「たまり場」作り
です。
掲示板サービスを作ったら、それを友達と共有して「たまり場」を作ってみましょう。これが案外、面白いのです。P161
仲間内でしか利用できないサービスを作り、仲間からの要望(画像が出したい、リンクが出るようにしたい)があれば、それを少しずつ実現していく。
→実現したら、仲間は喜ぶし、それを見てやる気も出てくる
そういった流れですね。
なにより、利用者からの要望がダイレクトに開発者に届くので、「よし、やってやろう」とやる気がでます。
昔は、ソースコードを仲間で共有しながら開発しないといけないので
ソース管理が面倒だったと思いますが、いまならgitがあるので
1つのサービスを複数メンバーが同時に開発することが簡単にできます。
問題なのは、gitが使えるようになるところまでメンバーのスキルを上げる必要があることですが、今なら無料でgitの使い方を紹介するサイトも多いので、お金をかけることなしに共同開発が可能です。
全くの初心者だと、プログラミングスキル+開発環境構築のスキル+サービス公開までのスキル といろいろつまづくところが多いので、誰かひとり、詳しい人がこの辺りをサポートしながらやると、はやくこの体制ができるでしょう。もしいなくとも、みんなが少しづつ分担して調べてもいい。
この本自体、気軽に読めるので息抜きにいいのですが、それでも難しいと思ったら、巻末の用語辞典がおすすめです。
清水氏がITに関する用語を一つ一つ解説してくれているのですが、私見が入って、「ここまで説明してよいのか」というまとめ方も楽しめます。
1つご紹介すると
フルスタックエンジニア
システム構築から開発、運用まで一人で何でもできるエンジニアをフルスタックエンジニアと呼ぶ場合がある。2013年頃からはやり始め、求人広告にもみられるようになった。いわゆるオールマイティなエンジニアだが、これを募集する会社では要するに4人分の仕事を1人に押し付けるようなブラック企業が多いとされ、エンジニアからは好かれていない呼称である。
例、「休問屋のわんおぺって、要はフルスタックエンジニアだよね?」
出版年度が2015年ですが、プログラミングに関するベースの状況はあまり変わっておらず、上達方法の「たまり場」も全然今の状況でも使える方法だと思います。
もしプログラミングスキルを磨きたい人は、学校や会社のメンバーを集めて「たまり場」を作ってみるのはいかがでしょうか。